生前贈与とは?
生前贈与とは、ご本人(被相続人)が死亡する前に、自分の財産を人に分け与える行為です。
個人の財産は、各個人の意思により自由に処分できるのが原則です。
生前贈与は、将来負担すべき相続税を抑えるという目的、または、相続発生後の相続人間の紛争予防のために利用されます。
生前贈与の注意点
生前贈与の際の注意点として、次の点を確認する必要があります。
- 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておきましょう。
- 生前贈与の登記は相続登記よりも印紙代(登録免許税)が高くなります。
- 不動産取得税もかかります。全体に贈与手続きにいくらかかるかを把握しましょう。
- 贈与契約書を作成し、できれば公証人役場で確定日付を取っておきましょう。
- 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認しましょう。
生前贈与の進め方
贈与税は暦年課税で、1年間の基礎控除額が110万円です。
つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。生前贈与を活用した節税対策には、110万円の基礎控除を最大限利用することのほかに、2000万円まで認められる贈与税の配偶者控除を利用する方法があります。
贈与税の配偶者控除 利用の条件
- 婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であること
- 居住用不動産または、居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
つまり、贈与税の配偶者控除を利用することで、2110万円(2000万円+110万円)まで、贈与財産の価額から控除が可能になります。
相続税は5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)という基礎控除や、配偶者税額軽減などの措置が取られているために、かなり多額の遺産総額の見込みがないと発生しませんので、生前贈与などが税制上効果を生むケースはごく少数といえるかもしれません。
この場合は、相続税対策よりも、紛争予防として、生前贈与や遺言の必要性を検討していくことになります。遺言は生前贈与よりもコストが安いですが、遺言は、ご本人が後日いつでも書き換えることができます。
相続税対策として生前贈与を活用する場合の注意点
- まず、ご本人の資産状況の把握が必要です。生前贈与していても実は税金がかからない状況だった、ということになっては、相続税対策として意味がありません。
- 次に、紛争予防としての贈与対策が必要かどうか検討します。遺言でも事足りるのか、もしくは相続発生時まで待っても問題がないかどうかチェックします。
- 贈与手続きの費用を確認します(見積もりをとります)。相続時よりも手続き費用が高額になりますので注意ください。
- 不動産取得税等、発生する税金の額も配慮しておいてください(後日、請求書がきてびっくりすることもあります)。
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